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「だから、ただの友人以上に親密な関係なんだよ!」 当人は親友であると表現したかったのだが、口下手であるために、やや回りくどい表現になってしまう。 それ故に、庄は重大な勘違いを犯してしまった。 (み、三田良ってそういう趣味だったのか…。確かに、よく女の所員と親密にしていたような。) 「い、いきなりそんなカミングアウトをされましても…。」 思考の腐った男である。 「元々、そっちが聞いてきたんじゃないか。他に聞きたい事は無いか?」 「あ、ええ、ありません…。」 「それじゃ、あたしは帰らせてもらうよ。色々と邪魔したな。」 庄が動揺し呆けている間に、女はひらひらと手を振り、部屋を出ていってしまう。 残された庄は、女が出ていって数分間経ってから、ようやく動くことができた。 「と、取り敢えず仕事に戻ろう。」 仕事と言っても、自分の怠慢のツケである、書類整理なのだが。
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