6人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから、ただの友人以上に親密な関係なんだよ!」
当人は親友であると表現したかったのだが、口下手であるために、やや回りくどい表現になってしまう。
それ故に、庄は重大な勘違いを犯してしまった。
(み、三田良ってそういう趣味だったのか…。確かに、よく女の所員と親密にしていたような。)
「い、いきなりそんなカミングアウトをされましても…。」
思考の腐った男である。
「元々、そっちが聞いてきたんじゃないか。他に聞きたい事は無いか?」
「あ、ええ、ありません…。」
「それじゃ、あたしは帰らせてもらうよ。色々と邪魔したな。」
庄が動揺し呆けている間に、女はひらひらと手を振り、部屋を出ていってしまう。
残された庄は、女が出ていって数分間経ってから、ようやく動くことができた。
「と、取り敢えず仕事に戻ろう。」
仕事と言っても、自分の怠慢のツケである、書類整理なのだが。
最初のコメントを投稿しよう!