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「いえーい! 香ちゃーん、鞠音お姉さんだよ! 事情は蓬ちゃんから聞いたよ、大変だねー。 とりあえず、警備責任の人が知り合いだったから、事情を話してシフトを細工してもらっちゃった。きゃぴ。 13時の中央区のところ、あいてるでしょ?そこだけわざと空けてあるの。 この警備情報、わざとネットに流出させてあるんだ…後は分かるよね? なに、分からないって?仕方ないなー、特別に教えちゃうぞっ。 警備に穴があったら、当然テロのおっちゃんも、その時間を狙うでしょ。 そこで香ちゃんの出番!ささっと現れて、身柄確保ーって流れ!完璧・鉄壁・安全第一! じゃあ、頑張ってねー。」 語尾に親の仇のように付く顔文字や、付けないと死んでしまう病気のような絵文字を省くと、以上のような文面である。 香は、読み始めると同時に襲い掛かる目眩を何とか振り払い、通読を達成した。 (つまり、わざと隙を作って誘い出す、ということかな。確かに、その時間に来るって分かっていた方が行動し易い。) 警備員では相手にならないためこれは正しい判断なのだが、同時にそれは彼女の孤立無援を意味する。 テロ集団を一人で対処しなければならないかも知れない、という絶望的状況を想像し、香は溜め息をついた。
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