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狼、基肉食狼はこちらをじっと見ている。三匹の様子からして明らかにあたしを食べるつもりだろう。
ならあたしは餌だから、こんな所で立っていたら駄目だろう。
そうと決まれば一一
深雪「っぎゃあああああ!!」
逃げるが勝ちぃ!!
あたしの叫ぶ行動に肉食狼は少し驚くが直ぐ追い掛けてきた。
運動神経は少し自信がある為今のところ食われる事はない!でもいつまでも続くわけではない…相手は狼、距離は少しずつ縮み始めた。
深雪「何なの此処は!あいつら何!?目が真っ赤で怖いんだけど!」
喋ってる暇があるなら体動かせ、という突っ込みは受け付けません。
体が酸素を求め始め、スピードが落ちていく。
深雪「はぁ…はぁ…苦し、い…」
その場にへたり込んでしまい肉食狼三匹はあたしの周りを囲んだ。
これではもう逃げられない。
深雪「幾ら夢でも…ちょっとリアルよね…はは…」
夢だと思いたい
これは悪い夢なのだと
でも頬を引っ張っても痛いだけで状況は変わらない。今まで感じた事のない恐怖が自分の中で渦巻いた。
「ガアァァァ!!」
三匹同時にこっちに飛び出す。諦めたあたしはその場で身を固くし、痛みに備えて目を瞑った。
「ウィザート・ダークネス」
ザシュザシュッ!シュパパパ!!
深雪「…………?」
ゆっくり目を開けると、さっきまで生きていた肉食狼達は原形がない変わり果てた姿となった。
思わず目を逸らしたくなる。
「大丈夫か?」
深雪「あっ、はい…」
声がする方向に直ぐ振り返る。そこには肩に付くか付かないかくらいに伸ばした黒い髪、金色の瞳と銀色の瞳を持ったルックス良しの誰もが振り向く美男子が立っていた。
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