退廃的神仏論めいた世迷言

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「随分、突っ掛かるな。僕は何も叶えない」 「カミには願いは無用不要、願いは自ら叶えて夢は自分で掴み取るものだ」 「ではカミは要らないな」 「神は、  祈りを捧げる為に在る。その祈りが世界に満ちてその心ばかりでヒトが満ちていたなら、世界は終わる事なぞ無い」 「…世界は終わりを待っているのみだよ」 「それでも、皆救われたいのさ」 巧妙な悪循環。 天然帰還 永久機関 無限運動。 「カミに願いを訴えられても何も出来ない」 僕は体育座りの様に膝を抱え、マグカップを両手で挟み呟く 「僕は何も出来ない  僕は見ているのみ。それのみ。僕は関われない拘わらない係わる事なぞ出来やしない。 無能以下に無能、 不要以下に不要、僕は唯黙って終わる世界を人を皆を見て見届けてゆくのみ」 「そして、  何れ世界は朽ち果てる」 「何れ僕も朽ち墜ちる」 「弱気だな」 「君がそんな話をするからだ。僕は何もしないのでは無く、僕には何も無い、  端から僕にそんな力は無いんだ。もし願いが叶うなら、」 僕は言葉を止めてから世界が広がる筈の昏いままの窓を見遣る 「それは願った者の力だ」 「殊勝だな」 「正論さ」 「確かにな。  生まれた感情は自分で何とかしろって事か」
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