さすれば、恋患い…サナ→ダテ+サス☆ギャグ

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早朝、よく晴れた上田城の一室。 真田忍隊の長、猿飛佐助が主である真田幸村を起こしに部屋へと向かった時の事。 『旦那~朝ですよ、入りますよ~』 いつもの如く襖越しに声をかけながら、部屋に入ろうとそろそろと襖戸を開けた。 『旦那~…ってあら…』 いつもならここからが大勝負。 布団から一向に出てこない息子と、それをはぎ取ろうと奮闘するオカンの面があるはずだった……が。 『…あら~珍しい…もう起きてたんですか』 珍しい事に主の意識は既に覚醒していた。 それどころか、綺麗に畳まれた布団の上に姿勢正しく正座をした状態でぽかん、と口を開けている次第。 『これはこれで気持ち悪いかも…っと。ちょっと旦那~?ボケッとしちゃってどうしたのよ??』 佐助の問いかけに返答はない。 虚ろな瞳が瞬きする事もなく、幸村はただ生気を失ったが如く脱力していた。
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