さすれば、恋患い…サナ→ダテ+サス☆ギャグ

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『せっかく一人で起きれたと思ったら…まったく世話の焼ける…旦那ァー‼起ォきなさァい‼』 耳元で大声を張り上げて肩をガクガクと揺すれば、反応は鈍くともようやく佐助の存在に気づいた幸村が、呆け面をいっそう濃くした。 『…は……さす、け…何だ急に大声張り上げて…』 いかにも自分は正常だとでもいうように、迷惑そうな面構えで佐助を見やる幸村。 『あんたねー…あんたがアッチの世界にイッちゃってるから心配して、でっかい声出してんじゃないのさ』 『あっちのせかい…?…熱でもあるんじゃないのか』 『それはあんただよ💧』 ふぅ、と小さな溜め息を含みながら、佐助は既に畳んであった布団を片付けるべく、その上に座り込んでいる幸村を速やかに畳の上に払い落とした。 ころん、と転がったままの幸村を横目にちらりと捉え、佐助はさっさと布団を持ち上げて襖の奥に押し込む。
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