熱くなれ

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「次――天見愛流さん、どうぞ」  そう言って魔女っ娘に引き続き控室に現れたのは、臣だった。私は荷物を持ち、慌てて立ち上がる。控室を出ると臣は黙って歩き始めた。ついていけばいいのだろうか。何も言わないその背中を追っておずおずと歩き出すと、突然、耳にキィン!!と痛みが走り、何事かと耳を押さえた私の脳に直接、臣の声が響いてきた。 (おい、聞こえるか?聞こえてたら咳ばらいしろ)  いきなりの事に驚きつつも、言われた通りに咳ばらいをする。すると、前を歩いていた臣は小さくガッツポーズをした。 (これが聞こえるってことは、やっぱりお前には魔力があるってことだ。お前も俺に対して何か言ってみろ。受信だけじゃなく送信も出来れば上出来だ) (………臣のバーカ) (ブッ殺すぞ!!!)  へぇ、これも魔法の一つなのかぁ…便利だなぁ…などと思いながら、自分に魔力があることを初めて体感して、ちょっと感動する。面接で何が行われるかは不安だが、これなら何とかなるかもしれない。  面接会場と思しき教室に着くと、臣が振り返り扉を開けてくれる。「失礼します」と言って教室に足を踏み入れると、そこには私とそう歳の変わらなそうな女の子が一人、座っていた。…グループ面接なのだろうか?私がその子と対面すると臣は扉を閉め、その向こう側から、再び脳に声が響いてきた。 (心配するな。俺がお前を合格させてやるから)  それを聞いて、不安に侵されていた胸の奥がポゥッと熱くなったのは、何故だろうか。 「ようこそ、聖法学園へ。貴女、お名前は?」  不意に沸き起こった胸の温かさに戸惑っていると、目の前の女の子に声を掛けられる。この子は一体…?と不思議に思ったが、その妙に尊大な様子に、大人しく応えておくことにした。 「天見愛流です」 「そう。どうぞ、おかけになって」  何だかよく分からないが椅子を勧められたので、とりあえず座る。面接官はまだ来ないのだろうか…。 「申し遅れました。私、今回面接を担当させて戴きます、上之宮玲菜と申します。どうぞよろ――」 「えぇぇぇ――っ?!?!」
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