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「――ここは…?」
「屋外演習場ですわ。埒があきませんから終わりにして差し上げましょう」
「どういうこと…?!」
「とぼけないで正々堂々魔法で勝負あそばせ!!あんな強大な魔力を持ちながら、いつまでも小芝居を続けていられるとでも思って?!」
強大な魔力…?!混乱する私をよそに、玲菜は何やらブツブツと呟き始める。するとその声に呼応するように、私の頭上に変化が起きていた。いつの間にか大勢集まっていたギャラリーも、その光景にざわめき出す。
「なっ…?!」
「地獄の氷柱、ヘル・アイシクル――堕ちなさいませ!!」
玲菜の声に応えるかのように、巨大な氷柱の大群が一斉に私に向かって落ちてくる。私は思わず目をつぶった。
――その瞬間。
胸に沸き起こる熱い力の奔流。外に出ようとうごめくそれは、叫びとなって私の体から放出された。
「うあああああぁぁぁ!!!!!」
「?!?!?!」
頭上でビシィッ!!と鈍い音が響く。次いでパキィン!!と高い音がして、氷柱の群れが全て砕け散った。破片が降り注ぎ私の体に細かい傷をつけるが、それもすぐに癒えていく。私は確かに、自分の体に流れる魔力を感じとっていた。
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