意地と度胸の大作戦

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「ありがとう!!」 「…ふん!合格したからといっていい気にならないで欲しいですわね!貴女以外の一般受験者は単なるオタクばっかりですから、全員不合格ですわ。けれど貴女1人だけが養成クラス、というわけにはいきませんから、来年度からは入学早々、私達と同じクラスで、同じカリキュラムを受講することになりますわよ!せいぜい予習はしっかりしていらっしゃいな!」 「うん!!」  強がる玲菜がなんだか可笑しくて、私と臣は顔を見合わせて笑いあう。それに気付いた玲菜は「何が可笑しいんですの?!」と、顔を真っ赤にして怒りだしたが、しばらくすると、ケラケラといつまでも笑う私達に呆れたのか、心なしかはにかんだような表情をしていた。  全面ガラス張りの演習場の外には、たくさんの桜が植わっている。今はまだ蕾もない寂しい木だが、この木にたくさんの花が咲き乱れる時を思うと、私の心は温かくなるのだった。
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