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「だよねー♪落ちて来た看板から助けてくれるなんてさー、好きにならないわけないよねー☆」
「んー…まぁね…って、また声大きくなってきてる…」
「あ、ごめんごめん。えー、卒業する前に告んなかったの?」
「んー…まぁ、その後話す機会とかなかったし…」
「えー、じゃあこれからどうするの?」
「どうするって言ったって…」
先輩は卒業しちゃったわけだし、せいなんとか学院なんて学校、この辺じゃ聞いたこともないから、近くではないんだろう。地元から遠い学校なら寮に入ってるかもしれないし、もしそうなら会える機会もない。それに自分だって今年受験で、お世辞にも成績のいい方ではないのに、恋愛にうつつを抜かしている場合じゃない。どう考えたって、告白など出来るわけがないのだ。
「じゃあさー…愛流ちゃん、今からでも、清鳳狙いで勉強頑張ってみたら?」
「そうねぇ…って、えぇぇっ?!」
驚いて大声をあげた私の口を、今度はひかるが手で塞ぐ。その騒ぎを見て、ギャル系のクラスメイト達がこちらを睨んでいた。こ、怖い…。
「だって、そこって難関なんじゃないの?」
「うん、そうだよ♪でも愛流ちゃんならやれると思うな!恋のパワーは、何者にも勝るんだよっ☆」
平然と言ってのけるひかるに、私はなんだか脱力してしまう。だが、それで肩の力も一緒に抜けて、不思議と難関校と言われても、自分ならやれそうな気がしてきた。
「…そうだね!よーし、とりあえずだめもとで頑張ってみようかな!!」
「うん、その意気だよ、愛流ちゃん!!」
こうして、私の猛勉強が始まったのだった。
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