受験生ブルース

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 まずは先輩が行ったというその学校について調べることから始めよう。そう思い立った私は放課後、職員室へと向かった。 「失礼しまーす」 「おお、天見。どうした?」  声を掛けてきたのは、去年の文化祭で看板落下事故のとき真っ先に駆け付けた万年半袖Tシャツの体育教師・北澤。彼は今年度から私のクラスの担任になったのだ。 「先生、進路について調べたいんですけど」 「おお、そうか!天見はどこを狙ってるんだ?」 (えっと、先輩の行った学校の名前は確か…そうだ!) 「はい、『せいほうがくえん』です」(確かこんな名前よね?) 「ほ~!『聖法学園』かぁ!天見がそんなところを目指してるとは、意外だなぁ!」(聖法?!あの聖法かぁ…天見には「そっちの能力」は備わっているのか?) 「やっぱり…難しいでしょうか?」(意外って…やっぱり難関なんだ…) 「いや、そんなことはない。あそこは一般受験もあるからな。諦めることはないぞ!」(まぁ、今は「力」はなくとも、あの学校には一般人でも一から「力」を養成する機関もあるしな。大丈夫だろう。) 「ホントですか?!よかったぁ…。あの、聖法って、偏差値どれくらいなんですか…?」(一般?推薦は…あたしの成績じゃ無理よね…) 「ハッハッハ!!まぁ、未知数ってところかな!!」(ペーパーテストはないしな!!)  み、未知数?!北澤の口から出た言葉に唖然とする私…。でも北澤は大丈夫大丈夫、とカラカラ笑っている。そ、そうよね!!ハードルは高ければ高いほど燃えるってものよ!! 「私、聖法学園受けます!!頑張ります!!」 「おう!!頑張れ、天見!!」  私は北澤と力強い握手をして、職員室を後にした。
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