受験生ブルース

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 その後色んな人に話を聞いたが噂は違わず、皆一様にして、 「えー?!愛流聖法受けんの?!頑張ってね!!」 「あたしの友達から聖法行く人が出たら超自慢なんだけど!!」 「あそこも制服超可愛いんだよな~!!受かったら1回着させてよ~!!」 などと言って、やっぱり相当の人気とレベルの高さが見受けられた。これは気合いを入れて試験に臨まねば…!!  それからというもの、私は放課後毎日のように、なにげに成績のいいひかるに付き合ってもらって勉強した。ひかるは理解の遅い私にも分かりやすく勉強を教えてくれる。いつだったか、将来は教師になりたい、と言っていたが、彼女にはまさに天職だろう。みるみるうちに、私は授業中の小テストで満点を取るのは当たり前になり、定期テストでも上位に入るようにまでなった。先輩目当てで「聖法学園」を目指しているとはいえ…恋の力はあなどれない。 「愛流ちゃん、スゴいよー!!これなら今度の模試、結構いい判定出るかもね!!」 「うん、ひかる、ありがとう!!あたし頑張るよ!!」  模試当日。私はひかるに言われた通り前日は早めに寝て、朝早起きして軽く復習をし、模試に臨んだ。いくつか自信のないところはあったが、それでも解答欄は全部埋められたし、見直しもちゃんとした。計算ミスやスペルミスもない。大丈夫、きっといい判定が出るはず…!!  そして、いよいよ成績返却の日。 「ひかるーっ!!やったよ!!聖法A判定だったーっ!!」 「えーっ、ホント?!愛流ちゃんスゴーい!!あたしでも教えきれないところはあったのに~!!」 「うん、ホントありがとう!!あたし早速、聖法の願書取り寄せるよ!!」 「うん!!ね?あたしの言った通りだったでしょ?」 「え?」 「だからー、『恋のパワーは何者にも勝る』、って♪」  そう言ってウィンクをしてみせたひかるに、私は心から感謝した。
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