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うーむ、と腕組みをして悩む、外見年齢10代前半の美幼女。しかし、ただの幼女ではない。彼女こそ世界最大の魔導師養成学校、星桜魔法学園の学園長にして、数10年前まで銀髪の悪魔とか言われた、世界最高ランクの魔導師称号“国滅(こくめつ)魔導師”の称号をもつ大魔導師、柊(ひいらぎ)美甘本人なのだ。実年齢は100を超えているらしい…
「咲君の頼みでもちょっと無理かな~」
「え!何でだよ!」
「咲君も知ってるでしょー。この学園の倍率。特別扱いは出来ません」
顔の前に両腕で大きく×印を作る。
そんな事は知っている。だからこそ、唯一の希望最高責任者であるあんたに頼んでるってのに…
それに、と美甘さんが続け、
「咲君はさっき僕に意地悪したからダメ~」
多分こっちが本音だ。何という器の小ささだ。しかし、ここで引き下がる訳にはいかない。
「さっきは本当にすみませんでした!今度、言うこと何でも聞きますからっ」
深々と頭を下げる。姫那も、ぺこりと一緒に頭を下げていた。
美甘さんは、ふふーんっと不敵な笑みを浮かべた。嫌な予感しかしないは気のせいか!
「そんなに言うなら仕方ないな~。では姫那ちゃんを学園に編入させる事は認めてあげる。だけど寮は無理だよ。空き部屋なんて無いからね~」
「えっと。それって…」
「咲君の部屋で一緒に暮らすならOKってこと~」
「僕の部屋って、男子寮なんですけど…」
「学園長権限で許可します!それとさっきの言葉忘れちゃダメだからねっ!」
美甘さんはそれはそれは、とても楽しそうに満面の笑みだった。何か企んでいるに違いない…
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コレが昨日あったことで、いま僕の部屋(ベッド)に姫那のいる理由だった。
あれ?僕は昨日ソファーで寝たはずなのに…
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