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開け放たれるドア。来訪者が目にしたものは、Tシャツにトランクスという姿で息を荒くしている男だった。つまりは僕だ。
どうやら、ベッドから抜け出す際にズボンを置いてきてしまったようだ。
「悪い咲。邪魔したな!」
「爽やかに出て行こうとするなよ!」
慌てて友哉の腕をつかむ。このまま逃がしたら女の子の寝込みを襲う変態のレッテルを貼られてしまう。
「何もしてないからな!」
谷間は見てしまったけど…
「そうだな。お楽しみはコレからだもんな!」
友哉め、そんなに僕を変態にしたいのか!
それから5分程かけて僕の潔白を証明した。そして最後にこの男は、
「お前にそんな度胸が無いこと何て知ってるさ」
と僕の大切な5分を無駄にしやがった。てか、今何時だ!?
「んなこより、今日始業式終わったら姫那ちゃんについて詳しく聞かせろよ!」
「おま、何で姫那のこと…」
知ってるんだ。言いきる前には既に友哉の姿は消えていた。あいつは何故、姫那の事を知っているのか、そして何故、ものの数秒で他人の部屋の鍵を開けられたのか問いたださなければならないのは僕の方だ!
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