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「お怪我はありませんか?」
「え? ああ。大丈夫。ありがとう」
風に舞うピンクゴールドの長い髪に、白を基調としピンク色の花柄模様の和服。流れるように振るわれる刀身の長い日本刀。そして何よりも僕の目、すなわち天空眼(スフィアサイト)を魅了するのは、彼女の周りを流れる魔力の渦。ふんわりと柔らかく彼女を包み込んでるようだ。
天空眼(スフィアサイト)は魔力の流れ、魔法構築式を見切る。今まで多くの人の魔力を見てきたけどこれだけ美しいと感じたのは初めてだった。
「立てますか?」
大丈夫と返事をしたものの、地面に腰をおろしたままなかなか立ち上がらない僕の顔を心配そうに覗き込み、手を差し出してくれた。
「ごめんね。ありがとう」
差し出された手を取り立ち上がる。少女はあどけなさの残る顔立ちながらも、長いまつげに整った目鼻口。そして左右で色の違う双眸。虹彩異色症、オッドアイと呼ばれるやつだ。右の瞳が紅、左の瞳が翠色をしている。
少女の容姿は歴史上最も有名な魔導師に酷似していた。
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