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火産霊八雲(ほむすびやくも)そう少女の容姿は第四次世界大戦、今から約150年に起きた戦争の英雄にそっくりだった。
「あ、あの。どうかなされました?」
「な、何でも無いよ」
しまった。少女の容姿に見とれていた。
「その、助けてくれてありがとう」
「お礼何て良いですよ。私は咲(さく)様のモノですからっ」
「えっと。僕のモノってどういう…」
「烈炎火(れつえんか)!!」
突如飛来するバスケットボール程の大きさの火弾。
一歩踏みだし、日本刀で火弾を一閃。軽やかな身のこなしで火弾を退ける少女。
「お前ら俺の事を忘れてないか?」
僕の眼を狙ってきた黒衣の男。少女の登場で完全に忘れていた。
「まだいたのですか。峰打ちで済ませてあげましたのに…」
はぁ、とため息をつく少女。
よく見ると男は脇腹を抑えおり少し荒い息遣いをしている。
「るせぇ。ガキ、それも女にやられて黙って引き下がれるか!」
天に手をかざし魔力を込めていく男。さっきの火弾の比では無い大きさの炎を手のひらに集めていく。
「大炎(たいえん)、龍神火(りゅうじんか)!!」
炎は龍の頭部を模し僕達に迫る。
「全く。力量の差すら計れない何て無能な方ですね」
キリッと龍をひと睨みし、左手のひらを龍へと向ける少女。
迫り来る巨大な炎。
思わず息をのむ僕。
少女の手のひらに触れた瞬間、龍形の炎は吸い込まれるようにしてその姿を消した…
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