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だいたい思い出してきた。
僕は8年前、スカイパークで1人の泣いている少女と出会っんだ。桃色の髪に左右で色の違う瞳をしている不思議な女の子だった。
周りの大人はみてみぬふり、世の中何て冷たいんだろう?僕は幼いながらにそんなことを思った。
「おい、お前どうしたんだ?」
最初の言葉はこんな感じだったと思う。
「ぅう。お母さんとはぐれちゃって…」
「迷子かよ。年はいくつだ?」
背は自分とそんなに変わらないはずなのに、泣いているせいか何だか小さく見えた。
「8才…」
自分と同い年だった。この位の少年には女の子に対して意地悪をしたいという欲求でもあるのか、
「お前、8才にもなって迷子かよ情けないなー」
こんなことを口にしてしまった。
目に大粒の涙を浮かべる少女。
そしてこの位の年の少年は女の子の涙にとても弱かったりする。
「な、なな、泣くなって。僕が一緒に探してやるから」
「ホント?」
「ああ。本当だ。ほら、コレやるから泣き止めって」
僕は少女の髪に天使の羽の髪飾りをつけてあげた。少し前にガチャガチャで手に入れたやつだ。
「えへへ。ありがとう」
髪飾りを気に入ったのか少女が笑顔になってくれて一安心だ。その後、少女と一緒に少女の母親をさがした。
「僕は八神咲。よろしくな」
「わ、私は姫那って言いますですっ」
少女は緊張しているのか、変な喋り方になっていた。
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