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「じゃあ送るよ。」
すぐに涼ちゃんも腰を上げた。
「いいよ。近いんだし。」
私が住んでる部屋は、涼ちゃんの部屋から歩いて10分程の所にある。
「い~や。帰るなら送る。」
「いいのいいの。これから涼ちゃんの好きな番組始まるよ?見たらいいよ。」
玄関に向かいながら、後ろに立つ涼ちゃんに手を振った。
「自分とテレビ番組を天秤にかけんなよ。」
『テレビに夢中になったら、私の声なんて耳に入ってないくせに~。』
“バイバイ”。
背中を向けたまま、無言で手を振った。
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