トイレの貞子さん

2/4
前へ
/28ページ
次へ
  冬と言えるようになってきたこの頃、放課後となれば、もう日は落ちてきて、校内は茜色に染められ、部活動の音は少しずつなくなっていく 「寒い…」 私は放送部であり、今日は放送の当番に当たっていたため、放課後まで残って、やっと帰れるところである ホントしんどい 放送部に入ったのは、中学の時に部活動が充実してたから、高校の放送部なんて…充実はしない、部活動はほぼない、下手な人ばかり、ていうかオタクばかり 正直やめたい ていうか、やめる ただ、その やめる時期を逃しちゃった感じで…今はなんとなく続けてる あ、かなり語ったけど、今日はそのことについてじゃないの ごめんね 実はさ 放送した後に、トイレに行って 前から三番目の個室の扉を開いたの そしたら…… 「あ…ごめんなさい、入ってますので……」 今から首吊りをします。 みたいな状況の人が、平然とした表情でそう言ってきたのです 「あ……はい、すみません……………って……学校のトイレであんた何してんのぉお!?」 「首吊り…かな?テへッ☆」 「見てわかるよ!つか、自殺を突き止められて何がテへッ☆なのさ!?」 「え…あ……そうですね………とりあえず、恥ずかしいので、扉閉めてもらいます?」 「いやいやいや!自殺に恥ずかしいって何!?恐いんだけど!!絶対閉めたら首を締める気だよねっ閉めるだけにっ!!!」 「……さむ…」 「…ごめん」 後で後悔、トイレなんて来なきゃよかった…いや、死なれなくてよかったけどさ……  
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加