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じりりりり。机の上の時計が使命を果たさんと、けたたましく鳴り響く。
うるせえな、もっと寝かせろと言いたいが、あいにく時計に文句を言ったところで意味はない。
渋々起き上がり、服を着替えた。俺の学校の制服は学ランで、一部の生徒がやってる改造は一切していない。目を付けられるのは嫌だしな。平穏万歳。
顔を洗い、鞄を持って家を出る。この分なら遅刻はなさそうだ。
朝飯は家では食わない。学校の側にあるコンビニのパンかおにぎりが俺の朝飯だ。わざわざ朝早く起きてまで飯なんか作ってられるか。
何? 親に作ってもらう? 残念だが俺は一人暮らしだ。親なら九州に出張してるよ。
あれ、北海道だったっけ? どっちでもいいや。
俺の親は万年新婚状態だ。仲が悪いよか万倍ましだが、いい気分はしない。実の息子を放置して遊んでやがるんだからな。
コンビニに入ると、俺と同じ目的の高校生がレジの前で行列を作っている。男子は学ラン、女子はブレザーだ。
ちなみに俺の通う高校は奏洪(そうこう)工業高校って名前で、残念なことに女子がいない。ここにいる女子はすぐ近くにある清城っていう女子高の生徒だ。
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