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「バーグ……どうやら味方のようね。安心したわ」
はて、バーグとは何なんだろうか? ハンバーグ……なわけないよな。
脳内であほなことを考えていると、目の前の女子は呆れたような視線をこちらに向けた。
「いい加減指輪外したら? 私まで巻き添え食うじゃない」
さてどうしよう。彼女の言葉が全く理解できないんだが。
取りあえず理解できた人がいたら今すぐここに来てくれ。そして通訳よろしく。あとできれば俺を弟子にしてくれ。
脳内で思考を張り巡らせるのに必死だったが、そんな事情を知らない彼女は眉間にしわを寄せた。せっかくの美貌が台無しだ。
どうやら彼女は俺が無視したと考えたらしい。頭の中はこんなにせわしなく働いていると言うのに。
「早く外さないとあなたの指を根元から斬って無理矢理外すわよ?」
ひゃーおっかねえ。あの目で睨まれたら寿命が一月は縮みそうだ。
罵られる事に快感を覚える人種ではないので、素早く拾った指輪を外す。
それを見てようやく、彼女はナイフをしまってくれた。
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