17人が本棚に入れています
本棚に追加
あるところに、とても栄えている国がありました。
その国の王様には妃がおりました。
王様は妃を愛していました。
しかし、妃は王様を愛していませんでした。何故ならば、妃は王様と無理やり結婚させられてしまったからです。
妃には愛する者がおりましたが
もう、会うことさえできなくなってしまいました。
妃は王様を憎み、恨み
そしてある夜、妃は
王様を殺してしまいました。
庭で咲き誇る薔薇の中
最も赫い血の赤は薔薇の赤をも染めてゆきました。
そこにいたのは
妃と、薔薇と、真っ赤な
血の色をした蝶だけでした。
蝶は、王様を愛しておりました。
愛という感情を知らずに
王様を愛しておりました。
蝶は怒りに狂い、姿を変え
妃を殺してしまいました。
そこにいるのは真っ赤に染まった薔薇と
醜い2つの亡骸でした。
蝶は赫く、ただ赫く
王の胸元で
愛を求めました。
†━END━†
最初のコメントを投稿しよう!