再会

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彼は何処までも高く広がる青い空を見上げ、夜には会えるであろう人物との回想に耽った。 柊治は幼名を清正(キヨマサ)といい、五つの時に両親を火事で亡くしている。 当時、両親と懇意にしていたある江戸の道場主の勧めも有り、柊治は其処の養子となると、養父は彼に剣術を学ばせた。 すると、齢五つであるにも関わらず、並外れた剣才を発揮し、養父に『神童』とまで絶賛され、瞬く間に若くして師範代となったのだ。 今夜会う男とは、その頃に道場で塾頭を務めていた人である。
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