拙者、名乗る程の者では御座らぬ的なノリの奴程大物だ

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あまりにも基本中の基本みたいな質問をされて戸惑っていると、隊長が盛大にため息をついた 「そうだね…君は病的に皆の事好きだもんね」 「…褒めてるんですか?」 「褒めてません」 バッサリ何時ものように切られてしまったけど、何だか怒っているようには感じられない 私はついつい調子こいてそのまま口を開いてしまった 「良いじゃいですか皆好きで!!もちろん隊長も…」 隊長も……? 「僕も何?」 「…嫌いじゃありません」 「…何それ?」 「……なんでしょう?」 あれ…なんか… 言えないんですけどぉぉぉ!! へらへらと誤魔化すように笑った私に冷たい目線を投げかけてきた隊長は立ち上がる 「僕も別に嫌いではないよ」 「へ?」 背を向けられてしまってどんな顔をしているかは分からなかったけど… 「…何?もうそろそろ稽古に戻りたいんだけど…」 そう、何だかとっさに隊長の着物を引っ張ってしまっていた 別にその言葉が悲しく響いたわけでも何でもないのに… 隊長は私に嫌われていようが好かれていようが全く気にしないような気もするけど… 「あ、その…好きですからね!!あれです…本人を目の前にすると照れると言うかなんというか、少し言いづらいと言うか…!!」 顔が熱くなって、自分が今赤くなってるのが分かる 何でこんなに慌ててるのか…やっぱり誰しも本人を目の前にしては照れるもんじゃん? 当然目なんて見られませんから伏せていると、少したって隊長が腰を下ろすのを感じて… 「い、いてっ!!!」 見事にデコピンをされました 人が恥を忍んで言ったと言うのに何をするんだと、額を抑えつつ抗議しようとしたけど… 「何それ?」 そう言って隊長は可笑しそうに笑ったのだ 何だか…凄く久しぶりの様な気がする屈託の無い笑顔で… 反論する言葉も失って、ただその笑顔に見いってしまった ほっかり心が温かくて、嬉しくて…やっぱり人に笑ってもらうって嬉しいなぁ もしかして芸人向いてるかも? とか思っていたのに… 「ま、僕は君の事嫌いじゃないけどね。早く厨房行きなよ?」 「ええっ!!?」 立ち上がった隊長はそんな事を平然と言って歩いて行ってしまう まぁ確かに好きじゃないとは思いますけどね!!社交辞令は無いんですか!? なんて思いつつも私は少し笑ってしまった 仲直り…出来たのだろうか? 私は昨日会った名も知らない人に感謝しつつ布団から起き上がった
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