戦前静冷

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土曜日。 午前中の授業が終わり、教師たちは昼食を取っていた。 学園ファイトを間近に控えているためか、職員室はピリピリとした雰囲気に包まれていた。 一カ所を除いて。 「ひかる、そんなに食べるの……?」 「腹が減っては戦は出来ませんですにゃ~」 愛流が唖然とする中、ひかるは幾重にも重ねられた重箱に敷き詰められた弁当の中身を、口の中に入れてもしゃもしゃと食していく。 「……そんなに食べたら動き鈍るんじゃない?」 「でも、お腹空いて動けなくなった所を狙い打たれたらたまらないけどね~」 ひかるは愛流の昼食に視線をやる。 愛流の机には、リンゴやバナナなど、消化に良い物ばかり並んでいた。 「消化が良すぎるのも問題だよ」 「そうかなぁ?」 学園ファイトの前の食事は、個人の差が出てくる。 ひかるの様な考えを持つ者もいれば、愛流の様な考えを持つ者もいるのだ。 だが、これで勝敗がどう動くかは決まらない。 いや、決められはしない。
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