物語開始

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「はぁ……」 昼休みの最中である午後の職員室に、一つのため息が上がる。 机に突っ伏しながら、ショートヘアーの頭の頂点にある触覚の様な、栗色の髪の毛をみょんみょん揺らしている一人の女性。 彼女の名は、天見愛流。 教師である彼女の担当科目は英語。 胸からお腹にかけて十字が入った服をきている。 背中には天使の羽が生えているが、本物では無く、それを模した物を付けているだけである。 教師にしては、といった格好である。 「愛流、どうしたの?」 その様子を隣の席で眺めていたもう一人の女性、曽根川ひかるが心配そうに呟いた。 首からイヤホンを下げ、半袖短パンに身を包んでいる。 その上に「55」と書かれたゼッケンを着ている。 こちらも愛流程では無いにせよ、教師にしては、といった格好だった。 もう少し凛々しかったら体育の先生だが、ぽやーっとした雰囲気が特徴の、世界史の先生である。 胸も小さいし髪もショートなので、男の子に間違われることもしばしば。
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