戦前敵前

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『学園ファイト』の開始まで、刻一刻と迫っていた。 それでも彼らは授業をしなければならない。 何故なら彼らは教師だから。 「なぁ、今年は誰が優勝すると思う?」 「わかりゃ苦労しねぇよ」 こんな会話は二、三年生ならではの会話だ。 額は小さいながらも、賭事をする者さえいる。 そして誰が勝つかは誰にもわからない。 バトルロワイアルだからだ。 強者も足を掬われれば、負けて弱者に成り下がる。 そうならない為にも、教師は必死で学園ファイトに取り組んでいた。 一年生は学園ファイトの存在は知っているが、それに興味を持たない。 何故ならそれよりも仲間を作ることが優先されるからだ。 これから一年連れ添う仲間がいなければ、学園ファイトすら楽しめない。 そのため、朱美学園では幾数ものグループが存在し、孤立する者はいない。
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