一話

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  〈人〉となったユキナはこの時9歳。   この時まで政府の特別施設にお世話をする大人が一人の場所でユキナは生活していた。     〈人〉となったユキナはある家に養子にはいることになる。     ユキナを引き取ったのは神条という家計に大変余裕のある夫婦だった。     この頃になると9年前のクローン人間事件のことはすっかり忘れているし、彼女がクローンであることは極限られた人しか知らない。     なので神条夫妻もユキナがクローンであることは知らなかった。       ……しかし、極限られた人はしっているのだ。     彼女のクローン技術はどの国ものどから手が出るほどほしい。   《彼女の生体から遺伝子、データを取り、クローン技術を我が国のものに》     彼女は世界各国の工作員達に知らず知らずのうちに狙われ始めた。     潜入はなんとか水際で止めていたが3年前、数人の工作員がこの防衛網を突破してしまった。
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