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神条夫妻の多額の遺産、広大な土地によりユキナはなに不自由なく裕福な暮らしができている。
しかし現在500坪を超す大きな家に住んでいるのはユキナと神条夫妻の姪にあたる生沢リョウコ……この二人となっている。
二人で住むには土地が広すぎる。
今まで何度かリョウコが執事の募集をかけようとしたのだがユキナの人嫌いからか、かたくなに他人を家に入れようとしなかった。
リョウコの説得の甲斐あってようやくユキナが折れたらしく謙一たちが執事となることができたのだった。
謙一の住むアパートから神条邸までは徒歩20分、海が見渡せる絶好の高台に家は建っていた。
「デカいっすね~」
「景色もいいしすごい場所だよな」
家の感想もほどほどに門の横にある呼び鈴を鳴らした。
「はい、どちらさまでしょうか?」
マイクから女性の声がする。
おそらくこの子は生沢リョウコだろう。
「執事とメイドの募集で募ったものですが」
「あぁ~。東堂謙一さんと園原ミユさんですね。門を開けますのでどうぞお入りください」
女性がそういうと門は自動で開きだした。
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