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「……ええ……あなたのおかげで……。でもあまり無茶はしないでくださいね?」
少女に怪我は無かったのを確認すると青年は安堵の表情をうかべた。
「お~~~い!せんぱ~~~い。だいじょうぶっすか~~?」
防風林からこちらに手を振りながらツインテールで縛った赤髪の少女が叫びながら走ってくる。
「みんな待ってます。さあ、いきましょう」
「……はい」
青年が差し出した手に少女は恐る恐る手を伸ばし、その大きな手に自らの小さな手を重ねた。
そして二人は手を握り合い赤髪の少女のもとへ歩みだした。
「……あの……ありがとう」
青年は少女のその言葉に少し驚きつつ優しい微笑みを浮かべながら月明りに輝く砂浜を二人仲良く歩き出した。
「……お腹すきました」
「そうですね。今日はすき焼きです」
「……卵……きれてるから買って帰らないと……ですね」
「はい」
青年は優しく微笑んだ。
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