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王国暦987年
「ダグラス=アーカー、この子をよろしく頼む」
「はっ、陛下の頼みとあらば…」
ダグラスと呼ばれた男は、まだ生まれて間もない赤ん坊を手渡された。
「それと、これを…抜いてみるといい。」
おもむろに取り出し、手渡されたものは、刀身の反った剣であった。
「これは…」
ダグラスは赤ん坊を脇のベッドに寝かせた。差し出された剣を鞘から抜き、まじまじと眺めた。
「見たことの無い剣だ…」
美しい。ダグラスは一目見てそう感じた。片刃の剣。
「それは『刀』だ。名を『緋炎』と言う。」
「カタナ…ヒエン…」
ダグラスは聞き慣れない名前に困惑していた。
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