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ノーザ
「……出てきたね悪魔……」
歩夢
「はっ、あんたの方が悪魔みてーな顔してるぞ。オバサン」
最後の一言にノーザは普段の冷酷なまでの態度を一瞬にして失う。
ノーザ
「やれ!ソレワターセ!」
叫びと共に、根を振り下ろす。歩夢はそれを走ってかわし、逆に飛び乗って肩部にいるノーザを目指す。
ノーザ
「チィ、ちょこまかと!」
掌から黒色の光弾を歩夢めがけて放つ。歩夢はそれを左右にステップを踏むようにしてかわす。それを見たノーザはさらに逆上し、がむしゃらに放つ。
歩夢
「数撃ちゃ当たるってわけじゃ――」
ある程度距離をつめたあと、懐に素早く低い体制で潜り込み、シフォンを握っていた方の手を蹴り上げる。ノーザから解放されたシフォンを 下でベリーが受け止め、タルトに引き渡す。
タルト
「シフォン、待っとってな~!」
クローバーボックスのオルゴールを奏でる。優しく温かな音色が、響きわたる。その音色により、シフォンはインフィニティの呪縛より解かれた。
ノーザ
「貴様ァァァ!」
怒りが頂点に達したノーザは今まで放っていた光弾を、今度は拳にまとう。
パイン
「歩夢君!」
振り返った頃には、もうすでに目前とノーザの拳が迫っていた。四人の背中を、冷たい戦慄が走る。
ピーチ
「歩夢君!!」
四人からは、ソレワターセが邪魔でうまく見えない。この角度からでは拳を突き出すような姿勢で静止した状態のノーザの後ろ姿しか把握できない。
歩夢は無事なのか。それとも………。
ノーザ
「バッ、バカな……!?」
突き出された拳。脆い人間の身体など貫くことも容易いであろう一撃は、掲げた手によって受け止められている。
ノーザ
「貴様は………いったい………!?」
ネクサス
「ただの救世主さ……なんてなッ!」
拳を弾き返し、飛び降りる。
ピーチ
「ネクサス」
安堵の表情を浮かべるピーチ。
ネクサス
「……なに、ワルくないと思っただけだ」
ノーザ
「よくも……よくも私の邪魔をォォォ!」
とどめの一撃を跳ね返されたノーザは先ほどまでの冷静さを失い、もはや目の前の敵を倒すことしか考えられなくなっていた。その証拠に、普段セーブしているはずの闇の力があふれ出てきている。
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