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ピーチ
「ネクサス!」
遠くからピーチたちがやってくるのが見え、ネクサスは安堵する。
うまくやったみたいだな………
が、それがネクサスに僅かの隙を生んだ。ノーザはそれを見逃さずに一瞬のうちに間合いをとり、四人の目の前へと現れる。プリキュアは急いで制動をかける。
ノーザ
「遅い……」
その言葉とともに、足下から木の根のようなものがはえ、四人の身体を縛る。
ネクサス
「プリキュア!」
ノーザ
「動くな」
素早くピーチの喉元に鋭利な爪を突きつける。
ネクサス
「……要求はなんだ」
ノーザ
「あら、飲み込みが早いわね……そうね。まずは変身を解いてもらおうかしら」
ネクサス
「……わかった」
反抗の言葉すら言えず、ネクサスは歩夢へと戻る。ノーザはまるで新たな玩具を見いだした子どものような笑みを浮かべる。
ノーザ
「さて、どうしてやろうかねぇ……」
ゆっくりと歩夢に近づくノーザ。その途中、ドラゴが飛び出し、ノーザに向かっていく。が、ぬいぐるみサイズのドラゴがかなう筈もなく、軽く手で払いのけられてしまう。
歩夢
「ドラゴっ……!」
ノーザ
「おまえには色々と聞きたいことがある………」
指で顎を持ち上げる。
ノーザ
「私のソレワターセを一撃で葬り去ったその力………プリキュアとはちがう力」
頭を掴み、グイッと近づける。
ノーザ
「調べさせてもらうわよ……」
ピーチ
「――近づかないで!」
ピーチは鋭くノーザを睨みつける。ノーザは邪魔されたことが相当頭に来たのか、縛っている木の力をさらに強くする。
パイン
「う………あ………っ!」
歩夢
「やめろノーザ!あんたが知りたいのはおれのことだろう!」
ノーザ
「気が変わったのさ。まずはプリキュアをおまえの目の前でしまつし――」
振り返って、またあの魔女のような笑みを浮かべる。
ノーザ
「その後じっくりと聞き出してやるよ。不幸よりもさらに極上の絶望という名のディナーを楽しみながらね………」
歩夢は鋭くノーザを射抜くような目で睨みつける。が、軽くあしらわれてしまい、自分は縛られて手も足もでない。
歩夢
「せつな……美希……祈里……ラブ……!」
彼女らの笑みが、脳裏によぎる。全て諦めていた自分に、また踏み出すための勇気を教えてくれた、大切な――
――大切な……なんだ?
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