序章

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「霊なんて、いるわけないじゃない」 昨日、弥生に言った言葉が、頭の中でぐるぐる回っている。 弥生はそれに少しむっとして、私に反論してきた。 「美佳はねぇ、頭が固いんだよ。科学じゃはかれないことだって、この世界にはいーっぱいあるんだよ?」 そう、それはわかっている。しかし、昨日の私は、そうやって私を諭すように言った弥生の言葉を、正面から受け止められなかったのだ。 昼休みの間、少し緊迫したおしゃべりが続く。 そこで、弥生が言ったのが、この儀式―― 『ひとりかくれんぼ』 だった。
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