プロローグ

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「鬼瓦!」 「えっ、鬼瓦、ユリナの天敵じゃん!」 「ユリナが殺したと疑われるんじゃない?」 「残念、ユリナはその時、意識不明で医務室のベットで寝ていた」 「証拠は?」 「清水君がずーと看病してくれたのよ、ねっ清水君」 清水が頷いた。 ガラ ガラ ガラ 渋い顔をした痩せた刑事と、でかい顔をした刑事が、教室の中に入ってきた。 「清水信吾君だね」 刑事が、机をよけて清水の両側に立った。 「ちょっと、話を聞きたいんだけどいいかな」 「な、なんですか?」 清水君は泣きそうな顔になった。 ユリナが、 「清水君は、ずーとユリナと居たんだよ。ユリナが証明する」 はっ、そうか!ユリナは気を失っていたんだ。 清水君がずっといた事を証明できない。どうしよう。 「清水君、ちょっと、交番まで来てくれない?」 震えだした清水にユリナが、 「任意だから行かなくてもいいんだよ。それにまだ18才未満だから、大人の法律は適用しないのよ」 「吉祥院さん、お話を少し聞くだけだから、心配いらないよ。お弁当も用意しているから吉祥院さんも食べますか?」 「ユリナも行くから潔白を証明しよう」 「うん、分かった」 二人は、刑事について交番に向かった。 「ユリナ、ちょこちょこメール頂戴よ」 ユキが、二人を不安そうに見送った。 「分かった」
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