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鑑識が最後の仕上げの、掃除機を掛けている。指紋と足跡を取り、目に見えるものを採取した後、採取できなかった物を全部吸い取って、科学捜査研究署で髪、衣類のほこりなどをDNA分析等をして捜査の手がかりにする。
「分かりません」
「変な密室殺人ね。なぜ完璧にクギでも打って密室にしなかったの?」
ユリナは独り言を言った。
「さー」
「清水君でるよ!」
まだ、震えている清水の手を引っ張って、部屋を出た。
ユリナは、自分の教室に帰らず、4階の男子便所に入った。
男子1人、気持ちよく小便をしている。
「ふー」
ユリナの侵入に気づき、
「何だ、何だ、痛てててて……」
男子生徒は慌てて、チャックを閉めたもので、大事な部分を挟んだようだ。
ユリナは、それを気にせずトイレの窓を開け、窓と外を丹念に写真を撮っている。
パシャ、パシャ……
写真を取り終えたユリナは、
「清水君、教室に帰るよ」
「ふー」
清水は大きく溜息を吐いた。
ユリナと清水は自分の教室に帰っていた。
教室にはもう誰もいない、二人は向き合ってユリナが一方的に話続けている。
「ねーねー、清水君、今日、初めて見た様な気がするんだけど……」
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