プロローグ

14/21
145人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
交番に連れてこられた二人は、奥の部屋に通された。 部屋は、大きな長テーブルが真ん中に置かれているだけのさっ風景な部屋だ。 「吉祥院さんはこちらに食事を用意していますので」 「えっ、別々で食べるの。警察がよく使う手ね、清水君帰るよ!」 「分かりました。どうぞ、こちらへ」 刑事が、弁当とお茶を4人分テーブルの上に並べた。 「どうぞ、食べてください」 「頂きまーす」 ユリナが弁当の蓋を開けた。 「しけてるねー。海苔弁じゃない。これじゃ自白したい犯人でもしゃべるのやめるよー」 刑事二人は、弱った顔をして、頭を掻いている。 清水は下を向いたまま、食べようとしない。 「清水君これも、刑事の手口なのよ、食欲が無いと言うことは、不安を抱えていると読むために食べ物を出すのよ。それと利き手を調べてるのよ、ガツガツ食べて、無実を晴らそう!」 清水は渋々、右手で箸を持ち弁当を食べようとした。 「清水君、何点か、質問をしていいかな?」 「はい」 「どう言う理由で、ラサールーから城山学園に来たの?」 「………」 清水は何も話さない。 「…………あのー、僕の両親が自殺しました。…………遠い親戚の方の世話になってます」 清水はポツポツと話し出した。 「その親戚の名は?」
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!