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「鬼瓦先生です。親とイトコだそうです」
「えー!ごほっ、ごほっ」
ユリナは驚いて、ご飯を喉に詰まらせた。お茶を一気に飲んで何とかご飯が胃の中に入ってくれた。
「うー、死ぬかと思った」
刑事が、
「どこに住んでいるの?」
「ここの寮に住んでます。お金は、先生が払ってくれてます」
「鬼瓦先生の家に行った事はありますか?」
「何度か…」
「嘘をいえー!」
1人の刑事が怒鳴り声を上げた。
ユリナが、
「これが手ですからね。アメと鞭で責めてきているのよ、もし手でも出せば、この人は懲戒免職ですからね。気にしないで。こっちがアメ、こっちが鞭ね」
ユリナがいちいち注釈を言うもので、二人の刑事はやり難そうに顔をしかめている。
「毎週、鬼瓦のマンションに遊びに行っていると情報が入っている」
「先生が、毎週車で迎えに来るもので仕方なく……」
可哀想、親が自殺し身寄りが無くなり、手を差し出した親戚が少年好きなおかまだったとは……。悲惨だ。打ちひしがれている所に、雷が落ちた見たいな感じ。よし、ユリナが助けてやる。
ユリナが箸を置いた。
「刑事さん、自白で証拠を引き出そうとしているでしょう。それは、安易で間違いよ、まずはアリバイ、物証、そして、動機でしょう。あたしが代わりに事情聴取をしましょうか?」
顔のでかい刑事がユリナを睨み、
「じゃアリバイはあるのかな?」
ユリナが、
「あるわよ、11時30分、推定犯行時間、その時医務室でユリナが目を醒ましたのよ、その時、清水君は丸椅子に座っていたよ。それからずーと話をしていたのよ。これでどうぉ、あたしが嘘を言っていると言いたいの、あたしは第三者だから、証拠能力はあるでしょう」
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