プロローグ

15/21
145人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
「鬼瓦先生です。親とイトコだそうです」 「えー!ごほっ、ごほっ」 ユリナは驚いて、ご飯を喉に詰まらせた。お茶を一気に飲んで何とかご飯が胃の中に入ってくれた。 「うー、死ぬかと思った」 刑事が、 「どこに住んでいるの?」 「ここの寮に住んでます。お金は、先生が払ってくれてます」 「鬼瓦先生の家に行った事はありますか?」 「何度か…」 「嘘をいえー!」 1人の刑事が怒鳴り声を上げた。 ユリナが、 「これが手ですからね。アメと鞭で責めてきているのよ、もし手でも出せば、この人は懲戒免職ですからね。気にしないで。こっちがアメ、こっちが鞭ね」 ユリナがいちいち注釈を言うもので、二人の刑事はやり難そうに顔をしかめている。 「毎週、鬼瓦のマンションに遊びに行っていると情報が入っている」 「先生が、毎週車で迎えに来るもので仕方なく……」 可哀想、親が自殺し身寄りが無くなり、手を差し出した親戚が少年好きなおかまだったとは……。悲惨だ。打ちひしがれている所に、雷が落ちた見たいな感じ。よし、ユリナが助けてやる。 ユリナが箸を置いた。 「刑事さん、自白で証拠を引き出そうとしているでしょう。それは、安易で間違いよ、まずはアリバイ、物証、そして、動機でしょう。あたしが代わりに事情聴取をしましょうか?」 顔のでかい刑事がユリナを睨み、 「じゃアリバイはあるのかな?」 ユリナが、 「あるわよ、11時30分、推定犯行時間、その時医務室でユリナが目を醒ましたのよ、その時、清水君は丸椅子に座っていたよ。それからずーと話をしていたのよ。これでどうぉ、あたしが嘘を言っていると言いたいの、あたしは第三者だから、証拠能力はあるでしょう」
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!