プロローグ

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今日から新学期か、嫌だなぁ、高校卒業するまでまだ二年もある。それにブランドバックに釣られて警視正のアホ兄貴から、秘密探偵の任務まで任されて、何とか一年が過ぎたけど、この高校何かおかしい、異様。だんだん危険な方に向かって行ってるような気がする。悪魔が住みついている。 まっ、今日は始業式、校長の挨拶程度で終わりだから、何もないでしょうけどね。 ユリナは、10棟あるうちのA棟の校舎に入った。入り口には2台の監視カメラが設置され、警備室で厳重に入校者をチェックしている。 通路からタタタタ……と階段をかけ上がり3階の通路に出た。 ユリナは、新しい教室、クラスを確かめて、進学科二年A組の教室の引き戸を開けた。 ガラ ガラ 教室の生徒は、全員席に着いて、本を開けてもう勉強を始めている。 進学科Aクラスは城山学園で一番優秀な生徒が集められて偏差値は70以上の生徒しか入れない、70以下になればBクラスに学期に関係なく即、落とされる。このクラスのほとんどの生徒は東大、京大、九大など超一流大学に進学する。 「おはよう!」 ユリナはハツラツと張りのある声で言うけど、全員、無視している。 なんなん、こいつらー!人が挨拶しているのにー。それほど勉強しないといけないくらいバカなの……、バカどもー! ユリナは一年間つき合わなければいけない生徒と教室を見回して、自分の出席番号が書いてある席を探して座った。 席は、窓際で桜の花が数枚机の上に載っていた。 ユリナは、その一枚を口の中に入れて味を楽しんでいる。
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