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刹那はこくりと頷く。
「…おれも…」
「一緒に選んだのかい」
再び頷く。そして一瞬だけ、紅子のグラスを見た。
「なるほど。これは刹那が選んだのね」
くるくるとグラスの中の赤い液体を回す。ふくよかな香りが鼻孔を擽り、紅子はまた一口その液体を飲む。
「うん、いい見立てをするね。刹那も成長したねぇ」
まるで幼子にするように、刹那の頭を撫でる紅子。刹那も満更ではないのか、嬉しそうに目を細めた。
「……べにこ、よけてっ」
何かの物音に気づいたのか、刹那は言うが早いか、
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