2nd stage.黒とあか

3/3
前へ
/7ページ
次へ
刹那はこくりと頷く。 「…おれも…」 「一緒に選んだのかい」 再び頷く。そして一瞬だけ、紅子のグラスを見た。 「なるほど。これは刹那が選んだのね」 くるくるとグラスの中の赤い液体を回す。ふくよかな香りが鼻孔を擽り、紅子はまた一口その液体を飲む。 「うん、いい見立てをするね。刹那も成長したねぇ」 まるで幼子にするように、刹那の頭を撫でる紅子。刹那も満更ではないのか、嬉しそうに目を細めた。 「……べにこ、よけてっ」 何かの物音に気づいたのか、刹那は言うが早いか、
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加