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「ちょっと、アイル!
本当に忍び込むつもりなの?」
学校北館、魔射科クラスの地下二階。
焦ったような声で友人を追いかけるのは見目麗しい金髪の美少女。
彼女こそがこのお話の主人公、魔射科クラスでトップの技量を誇る金持ち貴族のご令嬢、レイナ=ブルースフォーゲン。
「だぁいじょうぶだってぇー、少なくとも僕は」
「おいコラ、最後ぼそっと言ったのは一体何よ」
そんなレイナを後ろ向きに歩きながらなだめるのは、一応彼女の友人、魔闘科クラスで唯一の女子アイル。
なぜかは不明だが、彼女の信条は「ダメもと」。
とにかく絶対にダメそうな事に挑戦したがるし、一般とは違う奇抜な物を好む。
現に彼女の格好……
とっても動きにくそうな猫の着ぐるみパジャマは彼女が変人である事を明確に示していた。
そんなアイルが今目指しているのは、魔射科クラスの地下図書室、その更に下。
いわゆる一般生徒は立ち入り禁止という場所で。
「魔射科クラスの領地に入らせた私が怒られるんだからね!」
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