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「僕の性格を知っていて入れたレイナが悪い。
優等生と魔闘科クラスの問題児、さあ事実が露見してより騒ぎになるのはどっちかなーん?」
面白そうに黒い笑みを浮かべるアイル、どうやら全て計算づくのようだった。
硬質な大理石の床に響きわたるのはレイナのハイヒール。
段々と設置された灯りが少なくなっていく通りにあった一室を、アイルの革靴が音も立てずに踏み込んだ。
ほこりをかぶった本棚がぎっしりと並べられる光景が広がる。
並べられた豪華な装飾の本は、一般人が触ってはいけないと思わせる威厳をかもしだしていた。
「それに大体僕だって頼まれてお使いに来てるだけなんだから、協力してよね。
魔薬科クラスのパルマロが文献を取ってきてほしいって、魔射科クラスのレイナと友達の僕にお鉢が回ってきたんだから」
なぜか中身は絶対に見ないようにって言われたけど、
と不穏な言葉を付け足して、アイルは本棚のラベルを調べ始めた。
「あんたの友達って、ほんと変な奴らばっかりね」
「その中でも君はバツグンに変だから、安心していいよん」
「どういう意味よ!」
軽口を叩きあいながらも早く用を終わらせようとレイナも本を探す。
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