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「押すなと言われりゃ押したくなるのが人のサガってもんさ!」
棚の壁とは対照的に、日焼けした健康的な色の指がボタンに近づいていく。
しかし、その指はあらかじめ貼ってあった呪符によって阻まれた。
押せるものなら押してみろ若造、とばかりに年季の入った黄ばみを見せつける。
「なんのその、
こおゆう封印しとく系のお札って、長年使ってると魔法は防いでも物理的な力には弱くなるんだよねぇ」
ぺりり。
長年ボタンを守っていた呪符は、純粋な子供の好奇心であっけなくほこりまみれの床に破り捨てられた。
しかし呪符をはがした先には屈強な防護ケース。
最後の砦、とばかりにボタンを守っている。
「生物魔法『増強』ー、
プラス補助魔法『土』」
ボコッ。
最後の砦はアイルによって周りの壁を腐らせられ、馬鹿力で引っこ抜かれて地に伏した。
「ちなみに生物魔法っていうのは生物のみ、補助魔法は掛けた魔法を対象に掛けられる魔法の事だよ。
僕は生物魔法で筋肉を強くしてから更に補助魔法を掛けて一時的に木を腐らせる筋肉を持ったわけさ」
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