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おばちゃんは俺たちに気付き
「あっ、甫くん
おばちゃん気が狂いそうやわ
もぅどぅしよう」
そぅ言ってきた
俺たちはそれに答えるわけでもなく早足で病室に入った
「あっ、甫くん」
そこにはキーボード担当のノブが顔面を腫らして椅子に座っていた
片目の眼球は本来白いはずであるとこが全て真っ赤
そしてひろしは両手両足ギブスをしてベッドで寝ていた
俺は二人が生きていることに先ずはホッとした
『ノブお前どぅもないん?』
「俺は全然大丈夫よ
少し視力がないくらい
ただ初めて血の涙ってやつを流したわ」
ノブは思ったよりあっけらかんとしていた
するとひろしが目を覚ました
「よぅ、甫これ見てん
事故の衝撃で右足が五センチも短くなったんやて」
ひろしは目が虚ろながら話しだした
ギブスをした両手を俺たちに見せながら
「それにこれ、両手の親指が手首まで裂けて左の人差し指はもぅ折れ曲がって一生動かんって
…俺もぅギターはできんくなったわ」
そぅ言ってひろしはまた眠りに着いた
俺たちは胸が苦しくなりしばらく沈黙が続いた
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