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俺は男の目の前に立ち、誰の曲かもわからない歌を聞いていた
普段は誰かが弾き語りしてても素通りするのに
今日は何故か立ち止まった
不思議な感覚だ
すると俺の存在に気づいたのか歌が止まる
男は俺を見上げた
「…こんばんは」
『こんばんは』
「だいぶお疲れみたいですね」
『あぁ、最近ちょっと疲れましたわ』
俺もその場に座り込んだ
「何弾きましょう?」
『何か…今の俺にグッとくる曲頼みますわ』
男はゆっくり頷き、目を閉じて唄い始めた
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