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ここは朝歌の中北部野馬嶺(やばれい)にある関所陳塘関(ちんとうかん)
ここである不思議な事が起こった。
陳塘関の総兵(一番えらい人)李靖(りせい)の妻、殷氏が妊娠3年6ヶ月であった。普通なら十月十日で生まれてくる。すごく奇妙だった。
その夜、殷氏の夢の中に一人の仙人が現れた。殷氏は聞いた
「貴方は誰?」
「私は乾元山金光洞(かんげんざんきんこうどう)に住む太乙真人(たいいつしんじん)だ。殷氏よ、残念だがお腹子はただの肉の塊だ
……だが、これを受け取れば命を宿すことができよう……」
太乙真人は野球ボールぐらいの球体を出し、それが浮き始めた。
「宝貝(パオペエ)『霊珠』を……」
その球体が殷氏の下から中へと潜り込んで行く。あまりの冷たさに殷氏は声をあげた。
「ひっ!?」
「それでは……」
太乙真人は消えた
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