-2-

9/39
前へ
/474ページ
次へ
「…少し、いいですか?」 先程までの騒がしさが、僕の言葉で、一瞬静まった… 「霧島君も、何か言うべきだよ!!」 涙が、ここぞとばかりに僕も何かを言うように促すが、はっきり言って、僕と君の考えていることは、全く違うものだ!! だが、僕が何も言わないことに調子に乗る男子二人は、さらに言う‥ 「涙ちゃんが庇うことなんてないんだよ?」 「そうそう!庶民は出て行け」 そして、そのクラスメートらに再び注意する涙、 「いい加減にしてよ!!僕がどうしようと勝手でしょ!!?」 ふぅー…。まったく、これでは、きりがない。 くいっと、僕は眼鏡を上げる。 「…柊君、僕はあまり気にしていませんし、そう君が突っ掛かることもないでしょう?」 はっきり言って、僕はクラスの連中と仲良くするつもりは、これっぽっちもない。だから、あえて、僕を庇う彼にも冷たく言い放った。 「なんだよ!!偉そうに!!涙ちゃんに謝れよ!!」 僕が、ああ言えばこう言う‥。本当に低能な奴ばかりだな。このクラスは‥ 「…黙りなさい。元はと言えば、貴方々二人が原因でしょう? それと、僕は自分で稼いだ金でこの学園に入りました。…なので、自分で稼ぎもせず、親が稼いだ金で、この学園に入った貴方達に… 僕のことで、どうこう言われる筋合いはありませんよ?」 僕が淡々と言う間にも、何か言いたげな二人… 仕方ない。やはり、ここは奥の手で黙らせるか‥ 「…これ以上、問題を大きくするならば… 容赦しませんよ?」 僕の言葉と共にビクリと身体を震わすクラスメート達…。 何故、怯えるんだ?僕はまだ何も言っていないんだが‥? と微かに首を傾げる岬。実は、その無表情さが、さらに威圧感を与えていることなど、当の本人が知るはずもなかった…。 .
/474ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11720人が本棚に入れています
本棚に追加