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「…少し、いいですか?」
先程までの騒がしさが、僕の言葉で、一瞬静まった…
「霧島君も、何か言うべきだよ!!」
涙が、ここぞとばかりに僕も何かを言うように促すが、はっきり言って、僕と君の考えていることは、全く違うものだ!!
だが、僕が何も言わないことに調子に乗る男子二人は、さらに言う‥
「涙ちゃんが庇うことなんてないんだよ?」
「そうそう!庶民は出て行け」
そして、そのクラスメートらに再び注意する涙、
「いい加減にしてよ!!僕がどうしようと勝手でしょ!!?」
ふぅー…。まったく、これでは、きりがない。
くいっと、僕は眼鏡を上げる。
「…柊君、僕はあまり気にしていませんし、そう君が突っ掛かることもないでしょう?」
はっきり言って、僕はクラスの連中と仲良くするつもりは、これっぽっちもない。だから、あえて、僕を庇う彼にも冷たく言い放った。
「なんだよ!!偉そうに!!涙ちゃんに謝れよ!!」
僕が、ああ言えばこう言う‥。本当に低能な奴ばかりだな。このクラスは‥
「…黙りなさい。元はと言えば、貴方々二人が原因でしょう?
それと、僕は自分で稼いだ金でこの学園に入りました。…なので、自分で稼ぎもせず、親が稼いだ金で、この学園に入った貴方達に…
僕のことで、どうこう言われる筋合いはありませんよ?」
僕が淡々と言う間にも、何か言いたげな二人…
仕方ない。やはり、ここは奥の手で黙らせるか‥
「…これ以上、問題を大きくするならば…
容赦しませんよ?」
僕の言葉と共にビクリと身体を震わすクラスメート達…。
何故、怯えるんだ?僕はまだ何も言っていないんだが‥?
と微かに首を傾げる岬。実は、その無表情さが、さらに威圧感を与えていることなど、当の本人が知るはずもなかった…。
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