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何故、僕がこんなことを企てていたかというと…
とにかく、周りが僕を放っておいてくれない。特に兄ズが、何かと理由を付けては付き纏ってくる‥。
なんでも、母が事故で死んだ夜、僕は街中でふらふらと、ふらついていたところを…
たまたまパトロールしていた兄の同僚(FBI)の目に見つかり、おぼつかない足どりの僕に不審感を抱き、保護したのだと。しかも、全く記憶が抜けてるとか‥。
…あまり、詳しくは教えてくれないが、それでもそのときの僕は、一ヶ月ほどマトモに食事が取れず面会謝絶の入院をしていたと聞く。
僕としては、記憶が無くとも、十分生活していく上で支障はなさそうな為、あまり気にしていないのだが…。
なのに、兄二人は、やたらと自分を責めている。それに伴い迷惑なのが、過保護なところだ。次兄は自覚しているらしいが、紳士的な長兄のヒュー兄は、無自覚でらしい。仕事が入ったときは、SPを付けたり、兄達の同僚に頼んだりと…
最初こそは、ただ撒くだけだった僕にも段々と欝としいという感情が芽生えた。恐らく、僕にも反抗期というモノが訪れたのだろう。
最近は、周りが欝としく感じるばかりだ。まぁ、そんなこともあり、僕は姿をくらますという名の所謂、逃亡を謀ったのだった。それと、僕は英国の有名大学院を最年少で飛び級、そして首席で卒業したのだから、頭は良いんだろう。
おまけに情報なんかも、いち早く簡単に入手出来る僕はその手を買われ…英国の国家機密情報機関特殊組織の室長にまでなった。
勿論、いつも撒いていたので兄達にはもちろんのこと父も、知らない話だ。
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