Ⅰ -1-

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相棒という強き味方に、 情報通な僕自身。 ふと、僕は思う。学生生活を満喫してみるのも、また面白いと‥。 特に私立のお坊ちゃま校なら、尚更だ。あぁいう場所ほど陰険な金持ちがこぞって息子を入れたがる。所謂、見栄だな。 特にエスカレーター制の全寮制となれば… 問題が起こらないわけがない!!さらに、僕の得た情報では、生徒会とか関わると、生徒会を崇拝する親衛隊という連中が絡んでくるという…… とにかく、関わるとロクなことにならないという話だ。そんな面倒な事に首を突っ込む程、僕も馬鹿じゃないが‥ 売られた喧嘩を買わないような馬鹿でもない。やられたら、やり返す。 だが、まぁ‥‥ 面倒は嫌いだが、交渉という名の取引、ビジネスは大好きだ。 困ったときには、遠慮なくネタを売らせてもらえば…… 取引という名で、僕は儲けるが、目立ってしまっては、父と長兄が何処からか聞き付けて来ることは間違いなく‥ マコーネルもまた来るだろう。それでは今までの苦労が全て水の泡だ。 そんなこんなで… 僕の今の姿は、ノンフレームの眼鏡をかけ、黒髪に黒目の、仕事を完璧に熟せそうな優等生へと変装した。 この変装には自信がある。そう、簡単には見付からないだろう。 僕のいた情報機関には、置き手紙をあらかじめ、置いてきた。 【…暫く旅に出ます。捜さないで下さい】 という内容の簡単な文だが、無いよりはマシだろう…。室長もマコーネルに譲ると書いたし、何か言われても僕に非はない。 今日は入学式。4月。門の横に高々と表札がある。 僕は見上げる。 「…月森ヶ丘自由学園か」 ズレる眼鏡を押し上げ…目を細める。 僕は身内以外の人と話す際、敬語で接しているから敬語キャラは難無くクリアだなと僕は、ほくそ笑んだ。 .
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