誰よりも

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ふと左を見ると俺の糾弾に便乗する二人の男がいた。 それはクラスメートであり・・・心友と書いて"とも"と読む、そんな逞しい同志たちであった・・・! 「同志木塚!同志中田!」 「おうよ!助けに来たぜ!」 「イケメンと戦うものは皆仲間さ!」 「お、おまえたち・・・!」 命を共にするに足る同志を得た俺。ならばすべきことは決まっている・・・!! 「木塚!中田!」 「「応!!」」 「お前たちにはあの相手を頼んだ!」 そう言って俺は弓崎・・・の左斜め後ろの方向を指差した。 「ん?」 「なんだ?」 弓崎に視線を集中させていた二人は、俺が指差した方向へと視点を動かした。 そこには おそらく15人程の弓崎ファンクラブ構成メンバーが、閻魔王に匹敵しうるほどの怒気と覇気を纏わせながらこちらを睨み付けていた。 「おい!」 「へぅあ!?」 急展開で放心していた妹を、耳元で叫ぶことによって現実世界に引き戻す。 「きゃっ!や、やめ・・・」 そして妹を両手に担ぎ上げて 「逃げるぞ!」 俺は脱兎のごとく逃げ出した。 心友(笑)達を見捨てて。 「ま、待てよっ!命を共にするに足るんじゃなかったのか!?裏切ったのかギャアアアア!」 「助けて!誰か助けグアアアアア!」 ドゴ、と肉体が蹴上げられる音。 ボキャ、と頭蓋骨が打擲される音。 バキリ、と骨が軋む音。 ・・・そして、断末魔の叫びが二つ。 澄んだ朝の空に呑まれていった・・・。
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